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八ヶ岳南麓における地球温暖化現象 2007.P2
6月〜7月

1. 八ヶ岳南麓から見た甲府盆地と八ヶ岳南麓の気象現象

 本年に入り、八ヶ岳南麓から甲府盆地を見ると、幾重にも分かれた空気層を確認することが多くなりました。当初は、甲府盆地を覆う雲海を楽しんでいましたが、ここに来て、大きな気象変化がありました。
例年ならば、梅雨入りがあるのですが、梅雨入り宣言と同時に快晴が続いており、5月の五月晴れのような快晴です。

(写真1397・1391)

しかし、朝晩の気温低下で、高冷地では稲の発育が若干遅れており、心配しております。夜の気温の平均が15度を超えたならば、いよいよ夏ですが、しかし、夜間の温度が低過ぎます。本日6月17日自宅での最低気温10度、6月の中旬としては、平年より寒く感じ、こたつで暖をとることもしばしば。
昼夜の温度がもたらす甲府盆地の景色として、写真楽しんではおられません。

(写真0180・1012・1367)

甲府盆地をすっぽりと覆う雲海の景色とは、別の景色がここ八ヶ岳南麓から、昨年から観測されるようになりました。甲府盆地と八ヶ岳南麓の間に大きな空気層が三層ほど存在します。

(写真0589・0588)

富士山の写真で比較すると、富士山の下に甲府盆地、富士の中腹に雲一筋、夕暮れの富士は、冬が、まじかにせまった写真なので、中腹の空気層は写ってはいませんが、裾野には雲がうっすらと写っております。また、初夏の富士山の中腹には、一筋の雲が写っております。また、八ヶ岳に目を向けると、やはり中腹に一筋の雲がかかっております。

(写真0936・1368・1352)

山梨県の標高約250m付近に広がる低地甲府盆地から、標高600m付近までの空気層が一段目で、上昇すること300メートごとに空気層が存在し、私たちの住んでいる地域は、600mから1000mの二段目に位置します。さらに標高1200m付近で三段目となります。これより上は、高山気候になると思われます。大まかに空気層別に分けると、山梨の盆地気候はこのようになっていると思われます。日々の中で、空気の移動が激しいのが600m〜1000m地帯で、季節の影響を受けやすく、乾燥時には強風が発生しやすいのも、この空気層の特徴です。
中央線で言うと甲府駅から塩山駅までと、甲府駅から塩崎駅、身延線の甲府駅から市川大門駅を結んだ線で描かれる三角地帯が、ほぼ同一気候と見なすことが出来ますが、先端に行くほど山風を受けるので気候は安定しておりません。
晴れていれば、私の所から夏に行なわれる市川大門の花火大会が確認できます。
東は、茅ヶ岳の裾野が広がり、甲府南インター付近までしか確認できません。
富士山を正面にし、甲府盆地の西側を常に見下ろすかたちで、甲府盆地を日々見下ろしておりますが、八ヶ岳南麓から見える景色に2005年頃から、異変を感じ、季節ごとの変動が激しくなり、写真と言うかたちで、変動する様子を皆様に紹介してまいりました。とくに、標高600mから1200mの間の空気の移動にともなう風の姿には驚く物があり、秋から冬季までの間に吹く季節風が巻き上げる砂塵は、私どのところから見ると、土煙の移動がハッキリと確認できます。また、冬から初夏までの間には甲府盆地を覆う、雲海や、三層に分かれる雲の帯を確認することが出来ます。天気予報のアメダスからの気温変化を見ると、確実に空気層があるのを温度差から確認できます。
山梨の甲府盆地の気温と八ヶ岳南麓では、日中の気温差は均衡するが夜間の温度差は開くことになり、朝の光が甲府盆地に射し込み、盆地の温度が上昇し、上昇気流が発生するまでの間は、標高600m付近に雲がかかることになります。

(写真 1367・1368)

甲府盆地の気温が上昇するにしたがい、甲府盆地を覆う標高600m付近に漂う雲は一気に消えて行き、甲府盆地に晴天をもたらします。

(写真 1391・1397)

甲府市内にあるライブカメラで周囲を確認すると、甲府盆地中心部には雲はなく、青空が広がり、甲府盆地の周りにドーナツ状に雲が発生しているのを確認できます。このように、盆地特有の大気の流れが存在し、この大気の流れが、気温が低くなると、甲府盆地上空に600m付近に黒い大気層を形成して、冬場における甲府盆地の大気汚染を引き起こすのと、断熱効果を高め、周囲からの冷たい空気の流入を防いでいるのを八ヶ岳南麓から確認することができます。
冬場に、増穂町から韮崎まで南アルプス沿いにある農道を朝夕にドライブすると甲府盆地にかかる黒い大気を確認することができます。
夜間にドライブすると夜景は美しいものがありますが、冬場の朝夕に確認できる甲府盆地の大気汚染の様子には驚きます。これらも地球温暖化の産物なのか経済の発展によるものなのかは、さだかではありませんが、このような温室効果現象の雲が甲府盆地を覆っているのが確認できます。これの大規模なものが地球温暖化だと考えると、空気の流れ込みのない地球では、大変なことになることがおわかりに思います。

今回の、温暖化現象と思われる現象が、如何に凄いものかを見ていただきたいと思います。今回、その様子を2007年6月19日6時30分のJWA気象衛星写真から、確認することが出来ます。

(写真JWA気象衛星写真)

写真から読み取ることができる情報では、青森県から種子島までの間、おおよそ1000kmの帯が存在し、その帯が日本列島からモンゴルをへて、中央アジアまで、ほとんど偏西風の蛇行がなく、晴天域が続いているのが確認できます。
今回の、6月の晴天は、きわめて珍しい気象状況だと思いますが、6月の雨が欲しい時期に雨が無い、梅雨入りをしているはずなのに小雨にみまわれた天気が続くと、農作物や飲料水の確保に影響が発生しないことを祈るばかりです。

「八ヶ岳南麓の話に戻しますが、6月後半に入り、夜間の温度も上昇し、15度を超えるようになりましたが、空気中の水分が多いために、我が家が細々と作付けしている小麦に黒カビが発生して、心配しております。近くの営農家と情報交換したところ、我が家の小麦の収穫量は激減するようです。

(写真 1440)

さらに進行すると赤カビの発生が予測され、赤カビが発生した場合は、全て焼却処分しなくてはなりませんので小麦は全滅になると思われます。大気中の水分が多いのが、本年の特徴と思われますので、稲作においては、いままでの低温からの発育不全に合わせて、急激な温度上昇変化により、生育が急激に進行した場合、「いもち病等」の発生が懸念されますので、灌水管理等に注意が必要です。
八ケ岳南麓では、大麦の収穫は、大部分が梅雨前に終わっておりますが、小麦の収穫はこれからの時期でしたので、カビの進行が早く、畑の見回りの都度カビの進行している速度が増しているのが確認できます。概ね3日程度で、穂先から6番目くらいまで、黒カビに覆われて、小麦の中にまで進行し、小麦を割って見ると小麦中まで黒カビが繁殖しております。今年は、各農作物おいては防カビ対策が重要な農作業になると思われます。」昼夜の温度差と多湿のために発生するカビを防ぐには、農薬を使用する場合も必要ですが、農産物の安全のため、このカビ対策には農薬は使用できませんので、この気候が続けば小麦は全滅に向かいます。これも気候変動の一つと考えて良いと思います
 温度の上昇とともに、湿度は70%以上となっておりますが、日中の気温が25度以下なので、直射日光をあびない限り、木陰では涼を楽しむことが出来、薔薇の花も、ここぞとばかりに、あでやかさを増し、輝きに満ちた大輪を咲かせます。

(写真1410・1403・1413)

梅雨の合間を狙って農作業、やっとの思いで、小麦を収穫することができましたが、天候不順で黒カビが発生し、昨年の3分の一の収穫量になり、あらためて、温暖化の影響と感じましたが、農作業の合間に八ケ岳南麓の自然からステキな景色と蜩がカナカナと鳴いて、夏をプレゼントしていただきました。

(写真 1494・1496)

しかし、天候の不順により薔薇の大輪も雨に濡れ、短い高原の観賞時期をさらに短くしております。観賞時期と言えば、山梨ではこの時期、標高2052m櫛形山の山頂付近の7haあまりに広がるアヤメの群生が有名です。ところが、今年はアヤメ咲かないので有名になってしまいました。考えてみたならば、我が家のアヤメも、今年は背が異常に低いうえ花もちも悪く、観賞期間が2日〜3日で終了しました。しかし、杜若は、花数が減りましたが背丈はありました。菖蒲の花は、あまり変わらず咲いております。同じ仲間の花のように感じる花であっても、種類により大きく変化が現れるのだと感じました。
雨脚が強くなったので気象衛星写真で確かめると、雲の通り道が北緯20度から30度付近にあって、日本列島の南部を通っているのがわかります。

(写真 JWA写真07.11)

このまま太平洋高気圧が発達しないと、九州は亜熱帯降雨にみまわれ、九州特有の地質であるシラス台地では、崩落発生が予測でき、心配です。概ね春先から続いていた水不足も解消されたようなので、雲の合間から差し込む日の光ではなく、太陽の顔が見える天候が恋しくなってきました。

危険情報

天気のせいか、野生動物の移動が盛んで、我が家の田圃が犠牲になっており、ここのとろ連日鹿による被害が発生しております。山の中に美味しい餌が無くなり、農作物をターゲットに食害が発生しております。野生動物の保護も必要ですが、野生動物の保護を訴えると同じに農作物の保護も考えてほしいのです。

「野生動物にむやみに餌を与えないでください」

野生動物の保護を訴える方が、与えた餌のそのほとんどが農作物のために、野生動物は、食味を覚え、農作物を荒らしに田畑に出没いたします。一般の方は、むやみに農作物と同じものを餌として与えないでください。家庭菜園のためにとコンポストなどで、残飯を堆肥にする場合は、イノシシにえさ場を提供しているのと同じです。地中深く処理をするか、ゴミ処理機で処理を御進めいたします。これから収穫時期になるジャガイモや、トウモロコシも格好の餌になりますので注意しましょう。イノシシを見かけた時には、近くには寄らない事が大切です。興奮した場合は、人に向かってきます。イノシシには牙があり、猟犬も一撃で、えじきになります。人も例外ではありません。野生動物はペットではありません。野生動物にはむやみに近付かない、近づけさせない努力が必用です。

梅雨明けは、いつになるのか心配な今日この頃です。

心配と言えば、現在接近中の台風が地球温暖化の影響をうけて、今迄にないクラスに発達しそうです。山間部においては、急激な気象変動が予測されますので、天気予報の確認を怠らず、車の移動には細心の注意と、出水が予想される場所には近付かない事が、安全を約束するので、夜間の移動には細心の注意が必用で、危険を察知した動物との衝突事故も考えられますので、スピードの出し過ぎには注意しましょう。夕方、雲の晴れ間から見えた積乱雲の高さが今迄になく、高く感じました。台風の進路が気になる八ケ岳南麓です。

(写真 JWA07.12)

台風が通り過ぎると梅雨明けになるのか心配です。


八ヶ岳南麓における地球温暖化現象 2007.P2 追伸

 台風が接近する八ケ岳南麓は、雨が断続的に降り続いております。
今年の、八ケ岳南麓の植物の生育状況は、近年になく雑草の生育が早く、逆に作物の生育が、極端に遅れている作物と、そうでない作物とに極端に分かれています。それらの植物の中で、5月から6月に咲くはずのサツキが7月になっても咲き誇っています。植物の中には、述べの日照時間で開花するものと、開花温度により開花するものがありますが、八ケ岳南麓の7月は、この2つの条件が重なったものと考えられます。生物界にもこの現象は現れ、秋に飛ぶはずのアキアカネらしきトンボが飛び回るかと思うと、夏のトンボが飛び回り、本年度の八ケ岳南麓では、春先から秋迄の動植物界が混乱しているようです。

そんな合間に、知人の別荘に来ていた子供たちが台風の過ぎ去った田圃で見つけました。羽化したてのオニヤンマ。ゆっくりと、羽を広げ、広がって行く羽の羽脈に体液が満たされ、少しずつしっかりと、羽が硬くなって行くのを子供たちと一緒に観察できました。

(写真 1501)

子供たちと、観察していたならば揺れました。外にいたのであまり気にならなかったのですが、新潟では大惨事に。ここ数年、新潟付近では大きな地震が多発していますが、今迄に考えられていた地震発生のメカニズムをくつがえす発生です。能登、中越、新潟、近すぎるので、地震エネルギーは放出されていたと考えられていた、新潟柏崎沖の地震です。

災害地の皆様にお見舞い申し上げます。

それとほぼ同じくして、京都府沖合を震源地とする地震が発生していますが、揺れの一番激しい場所が、北海道太平洋岸になっている地震です。通常、私たちが知りうる知識であれば、震源地付近が激しく揺れ、震源地から遠のくほど揺れが小さくなると考えられていましたが、京都沖を震源とした今回の地震で、それらの考え方が当てはまらなくなり、震源地が深部の場合は、震動周波数と地表面が接した場所が揺れるような現象ではないのかと推測されます。(あくまで仮定です)

八ケ岳南麓は、地中からの圧力が加わる集束地形(ノコギリ状の地形)は無く台地に押し出した溶岩流出地形のために、大きな断層は見当たりませんが、東西の山岳地形は、圧力のかかった集束地形なので断層が多数存在します。

現在のところ、地球温暖化と地震の因果関係は考えられにくく、地殻の移動に伴う地震と火山による地震が主なる地震です。このように私たちの地球は生きているのです。その地球の気象を人類はここ100年で、大きく変化させ、地球温暖化をまねいております。私たちの生活から生まれる地球温暖化効果ガスの生まれる原因は、二酸化炭素・メタン・一酸化二窒素・フロン類等をここ100年で、急激に増加させた事と、人口の増加によるものです。温室効果ガス類は、努力すれば減らせますが、食料確保に使うエネルギーが世界のなで一番消費しているのが私たち日本である事を忘れては行けません。次期IPCC(気象変動に関する政府間パネル)での議題に上がるのが、フード・マイレージである事に注意しなくてはなりません。幸い、八ケ岳南麓においては、地球温暖化の影響により、農作物の生産に大きく影響をきたす変化は起こりにくいと予測できますので、農業による食料の自給率を高めて、全ての場面において地産地消を押し進める事が、地球温暖化防止につながります。燃料も、地産地消のものを作り出し、地域単位での利用を押し進める事が必用ですが、バイオエタノールの生産には、現在の農産物を使用して作り出すシステムでは、原料確保と加工の段階で、大量の二酸化炭素を発生し、環境面と経済面で反比例します。

できるだけ、地域のものを原料に地域で消費する燃料を確保する努力がこれからは必用になり、安易に海外から輸入する現在の消費社会全体が地球温暖化を加速していることを忘れてはなりません。

2007年08月号雑誌ニュートンに、地球温暖化についての掲載がありますので参考にしてみてはいかがでしょうか。

例えばこんな記載があります「ガソリン1リットルを使用すると、重さ約2.3kgの重さで、体積約1170リットルの二酸化炭素を発生します」

皆さんご存知の、バランスボール一個分の体積になりますので、燃費が悪い私の車だと、甲府と八ケ岳南麓を往復するとバランスボール10個ほどを道路にまき散らして走ることになりますので、後続車は注意しましょう。

となりますが、実際には、目に見えませんので、私たちは気が付かないのです。
バランスボールの中に生物を入れたならば、たちどころに死滅します。

そんな作用のある二酸化炭素を排出している車、使用方法を考えなくてはと思う交通手段の少ない陸の孤島八ケ岳南麓です。

2007.07.17

▲上に

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