500kW級太陽光発電所の実力報告 2015.01
(平均1.2倍の発電能力・最大1.6倍)
浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男
2015.02
平成25年6月からショッピングセンターの屋根を利用した500kW級太陽光発電所を稼動させ、更に増設を行い500kWまでもう少し。(屋根面積の為)
1年間の発電実績を確認して、驚きました。
設置は、南北中心からに両側に±5度傾斜で広がる屋根に、直接設置する方式で設置
南 側 +5度勾配 北 側 −5度勾配
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南北を合わせると0度勾配になるので、太陽電池出力が南北均等になるように配置。当初は、ある程度傾斜を付けて、配置すれば発電効率も上がると考えましたが、こちらで使用した太陽電池(ソーラフロンティアCIS160W)の特性を考えると、直接配置で、何ら問題が無いことが、データ(汚れ・発電性能・影等による影響)にて分かっていましたので、写真にあるように、屋根勾配に沿った直接置方法を屋根全面に採用いたしました。
太陽の季節移動を考えると、水平に太陽電池設置しているのと、同じことになります。
結果、設置工事費を抑え、尚かつ屋根へ荷重負担が少なく、夏季においては、太陽光による屋根の加熱上昇を抑え、室内空調への負担の軽減が図れました。
しかし、水平設置に近い為に、季節の変動は、傾斜角設置している発電設備と比較すると、角度がない分、発電量は減少することは、分かっていましたが、太陽電池の性能を信じ、屋根直接設置に致しました。
1年間の発電実績を見て驚きました。当初のシミュレーションよりも、1.2倍以上の発電効率をたたき出し、最高発電量の月は、平均発電シミュレーションより、1.6倍以上の発電実績をたたき出し、結晶系の太陽電池よりも、化合物太陽電池の特出性能を見事に発揮致しました。
今回、500kW級の太陽光発電に使用した太陽電池は、ソーラーフロンティアの化合物太陽電池CIS160Wを2,670枚使用。(後に50kW増設)
パワーコンディショナー 富士電機500kW対応を使用
月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
予測発電量 (kWh) |
31,480 | 37,560 | 45,099 | 49,110 | 51,537 | 43,058 | 50,118 | 51,021 | 37,772 | 31,118 | 27,226 | 27,855 |
発電実績 (lWh) |
34,059 | 26,797 (積雪) |
22,240 (積雪) |
63,614> | 80,346 | 65,177 | 56,839 | 65,637 | 54,611 | 49,696 増設50kW |
35,532 | 32,520 |
年間予測発電量 | 482,960 kWh | 年間平均で予測発電量より1.2倍の発電実績 | ||||||||||
年間発電実績量 | 587,068 kWh |
2月,3月には、積雪が有り、雪が融けてなくなるまで時間がかかり、発電量の減少になりました。特に3月分に上げてある数値には、2月14日の豪雪により、20日間に及ぶ発電停止を余儀なくされ、3月分(計量期間2月15日〜3月15日)の発電実績減少に繋がりました。
通常の景色 豪雪から1週間
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勾配がない分、雪融けが始まらずにいる。
対策として、周囲の太陽電池を掘り起こし、パワーコンディショナー作動電圧を確保し、起動させ、融雪を促進させる対策を取る。
2014.02.14豪雪 雪の下から太陽電池を掘り起こす。
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この時点で、降雪から1週間経っていたが、積雪は70cm以上ありましたが、各ユニットの外側を除雪することで、パワーコンディショナーが作動して発電が開始されました。除雪をした面積を確認すると、50kW超えであったので、500kWパワーコンディショナーを作動させるには、約50kWの太陽電池が必要になることが分かりました。
実際に、降雪が少ない場合の年間発電実測予測は2月が約11,000kWh増え
3月が約23,000kWh増え、年間発電実績予測は約621,000kWhとなると思われます。(降雪が多い地域は、逆に更に減少する)
こちらの発電実績は、ほぼ水平設置と言って良いので、設置角度係数と、日照時間を入れることにより、太陽電池の善し悪しを確認することも出来ます。
また、単結晶、多結晶の太陽電池とも比較できるので、こちらのデータを基本にして、この発電データと皆さんの発電規模を比較して、買取り価格×(かける)発電実績で売電予測金額をはじき出すことができます。
ここまでは、500kWでの計算例になります。
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個人に普及している50kW級の水平設置太陽光発電では
例えば、50kWでは、このようになります
買取価格42円×年間発電量 約58,700kWh=年間売電金額約2,465,400円
買取価格38円×年間発電量 約58,700kWh=年間売電金額約2,230,600円
買取価格32円×年間発電量 約58,700kWh=年間売電金額約1,878,400円
あくまでも、水平設置の太陽光発電施設の発電データですから、設置角度が10度、20度、30度になれば、ここで計算した、金額よりも、1割り以上増えてくると思われます。この数字よりも、発電実績が少ない場合は、使用している太陽電池に問題があるか、システム全体(一部に日陰になる部分が発生する)か、設置方法に問題があると言っても過言ではありません。
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たとえば !!
今回、使用したソーラーフロンティアCIS 160Wの±5度設置太陽電池を、同条件下で、水平ではなく設置角度25度で、500kW設置した場合の、年間予測総発電量は約763,000kWhで、年間収入予想金額は、今期の買取価格では、32円×年間予想発電量 約763,000kWh = 約24,416,000円となります。
太陽電池の性能が良ければ、買取り価格が32円であっても、設備投資金額(導入金額)にもよりますが、償却期間は5年〜9年の間で、消却をすることができることがお分かりいただけると思います。
これが最適、設置条件下で太陽電池の性能を引き出した場合の設置事例です。
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固定価格買取制度の20年間は非常に長い期間ですので、最良のシステムを立ち上げて、売り上げ業績を上向きに変える企業努力を求められる時代に突入しています。
太陽電池にも、多くの種類がありますので、一概に、どれが良いとは言えません。此処の条件に合った太陽光発電システムを導入し、業績アップに繋げていただきたいと思います。
今回は、化合物太陽電池・ソーラーフロンティアのCIS160Wの性能について、実績を確認しながら原稿を作成致しました。
浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男 2015.02
乱筆・乱文・誤字・脱字等あると思いますが、皆様の良解釈に期待致します。