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八ヶ岳南麓における地球温暖化現象2012 P1

浅川太陽光発電所
所長 浅川 初男

今年の八ヶ岳は、梅雨明けとともに気温が急激に上がります。
八ヶ岳南麓は、内陸部で太陽の光をたっぷりと吸収できる八ヶ岳の南面に広がる扇状地的台地になっており、特に、ここ数年異常気象が確認されています。


今年の夏の始まりは、梅雨になってからの低温と雨が多く、降水量が多い為に、渓谷では土砂の流出が頻繁に有り、砂防堤に土砂が満杯となり、土石流の発生回数とその量が半端な量ではないことです。八ヶ岳南麓だけの現象ではなく、山に囲まれた山梨では全ての河川流域で、土砂の流出が近年に無い量になっており、豪雨に見舞われたら、大水害の発生が懸念されます。


(写真 507)



本来であれば、4月に入り気温は、ゆっくりと上昇して、桜前線とともに八ヶ岳南麓を駆け上がるのですが、標高600mから1,000mまで本の数日で桜前線が駆け上がりました。その反面、梅雨明け迄は15度以下の日々が連続して、7月後半迄、炬燵が我が家の居間に陣取っておりました。聞く処によると、その現象は、標高900m以上の場所では暖房器具が梅雨明け迄放せなかったと御聞き致しました。


我が家の畑では、例年の成長よりも遅れて、作物の成長が伸び悩み、梅雨明け迄非常にゆっくりとした成長を続け、梅雨明けと同時に急成長をしたため、スイートコーンは、雄花が咲き出してから雌花が一時期遅れで、花をつけたため、最初のスイートコーの頂点付近迄綺麗な実並びが付かず、ちょっと不格好なスイートコーンとなりましたが、温度変化が激しいので糖度は例年になく、全ての品種で14度以上と高く、生食で瑞々しい美味しいコーンとなり、来客者のお口の中に運ばれておりました。最終糖度は16度まで上がりました。


例年であれば、8月前半は高温に悩まされ、中期は20度以下の低温と、高冷地ではめまぐるしく、気象が変化するので、体調管理を確りとしていても、直ぐに夏風邪を引く事があるのですが、今年は、全く違い梅雨明けとともに温度は上昇し、高温状態は8月いっぱいまで続き、9月になり、やっと降雨が山間部にはありましたが、甲府盆地に入ると全くと言って良いほど雨が降りません。


このような高温に見舞われた為、我が家の第2太陽光発電所は、連日高温にうなされ、朝早よから運転をはじめ、気温が30度を超えた時点で停止をする事が7月中は3回、8月になってからは毎日、朝動き高温になると自動停止を繰り返しており、発電開始の1999年から2011年の間では、高温時の自動停止は、2007年頃から目立ち始め、昨年までは、8月の上旬の10日余りを注意すれば良かったのですが、本年は梅雨明けと同時に高温による自動停止が発生し、9月になっても続いていますので、対策として、換気口の新設とダクトファンの増設を行い、喚起を良くしたのですが、連日の自動停止、更なる対応をしなくては、と思っているこの頃です。如何に八ヶ岳南麓での日射による高温状況がすごい物であったかを、発電量の低下とともに知ることができました。


話は変わりますが、私の好きなワインは、ひょっとすると大化けするかもしれないので、体調不良で今では飲むことができないのですが、実に楽しみです。


しかし、楽しみな事ばかりではありません。


山の中に入ると、ドングリの実が見当たらないので、大型動物による農作物への被害が米の収穫時期に発生するのではと、心配しております。


(写真 274)



特に、増えているのがイノシシです。私の田圃も防護ネットで囲んであるのですが、イノシシの鋭い牙には太刀打ちできません。無事収穫できる事を願っております。イノシシと一緒に闊歩しているのが、シカです。どう言うわけか私の育てている蕎がお好きなようで、10アールの圃場の殆どを食べ尽くして、一度は丸坊主になりましたが、現在復活しつつ有りますが、虎刈り模様になっております。


(写真 275)



同じ地域に100mと離れていない、お宅の蕎畑は被害がありません。
来年は、この蕎畑も、発電所と同じようにネットをかけなくてはダメかなと思うこの頃です。


(写真 269)



この頃繋がりで、思う事が一つ、なにげ無く居間から見ている景色の中で、本年は特に気になるのが、雲の低さです。もう9月の中旬と言うのに、一向に空が高くなりません。と言うか、高い空は遥か上で広がりがあるのですが、


(写真 247)



低い雲が低すぎるように思えるのです。低い所で発生する雲がより低くなって、我が家の標高(900m)くらいまでに迫ってきているのです。


(写真 155)



我が家からは、甲府盆地の一部が見えるのですが、甲府盆地にかかる雲が、我が家よりも低い位置で浮かんでいるような景色を見る事が多くなっています。


(写真 267)



いよいよ、大気層の入れ替えが激しくなるのか、と思っていたならば、我が家を訪れた盆地の住人が言うには、7月後半から盆地ではまとまった雨が降っていないとのこと、盆地の暑さは想像を絶すると。お風呂も暑くて大変、我が家に遊びにきて、涼しい場所で温泉に入る、そしてわがで涼み、お昼寝して一休み。これに限ると、度々訪れてくれます。



下界はそんなに暑いのかな、九月に入ってからは、八ヶ岳南麓では数回の夕立があり、乾いていた畑を潤しましたが、例年と比べると少ない降水量です。我が家の畑も土ぼこり舞い上がり、カラカラ状態で、白菜と大根が、水が欲しいと訴えております。


我が家から標高で約200m下がった、標高700m付近を境に、まるで線引きしたように雨が降っていないようです。


高い山に囲まれた山梨は、水不足はまだ心配なさそうですが、各地で水不足を心配する声が聞こえてきます。天気予報では、秋雨前線の活動は、日本海側に集中して、太平洋側に向いた八ヶ岳南麓は、まだ暑さがしばらく続きそうな気配です。夜になると虫たちの鳴き声と、ヒンヤリとした空気が下がってくる、この頃の八ヶ岳南麓です。


まだ八ヶ岳、夏の様相を呈していますが、木々は静かに秋への準備をしています。クルミの木は落葉をはじめ、桜の木と漆の木は紅葉をはじめています。


温度が下がると、一気に秋が始まるのかな・それとも短い秋で・すぐに冬が来るのか、温暖化が進み、八ヶ岳南麓の高原に降り注ぐアスピリンスノー(サラサラ雪)・(歳がばれますね)果たして今年も降り積もるのでしょうか?


(写真 743)



こんなに季節が読めない状況になるとは思いませんでした。今年の冬に何が起こるか、起こらないのか、冬にならないと結果が見えないのが、複雑な気象現象が続く、八ヶ岳南麓の地球温暖化現象です。

2012/09