北杜市自然エネルギー利用施設紹介 (農業用水路を利用した水力発電所) |
八ヶ岳南麓に位置する北杜市は、自然エネルギーに恵まれた環境にあり、市内には多くの発電所が点在しております。電力会社や北杜市、企業や個人が自然エネルギー利用発電施設を管理し、八ヶ岳の自然環境に貢献しております。
そんな中で、北杜市が農業水路の水流を利用した水力発電所を建設しました。
「 北杜市役所のロビーにある発電施設紹介ディスプレーで確認できますので、
北杜市役所を訪れた際には是非ご覧ください 」今回、水力発電所の施設の完成とともに、本格稼働の前に行なう完成検査に立ち会うことが出来ましたので、その様子を紹介させていただきます。
(発電所の外観は、北杜市のホームページ等でご確認ください)まずは、ドアを開けて、発電所内部に入ります。
(写真1122)
中に入ると、発電機と発電用タービンが、目の前にあります。
(写真1124)
細かく説明しますと導水管の制御弁部分
(写真1123)
導水管から高圧の水がタービンに入ります。丸くカタツムリのように見える部分がタービン(水車)で、タービンを回した水はカタツムリの真ん中から排出され、もとの六ヶ所村堰に戻ります。
(写真1124)
カタツムリ状のタービンの後ろにある、大きな長四角の灰色部分が発電機です。
通水検査、
いよいよ、リモートコントロールで、水門から水を取り入れ、導水管に水を引きます。各所にある水圧計はゼロを表示しています。
(写真1130・1132)
導水管に水を通し、発電に必要な規定圧力まで水圧が上がるかの検査
通水検査、規定圧力まで達したところで、タービンに水を供給します。
導水管を通った水が、発電用タービンに供給され、規定圧力でタービンを回転させ、発電機をまわします。発電機が、回りだすと、発電による熱や冷却ファンによる風音と、水の流れる音が室内に響きます。
これらの音が、周辺に漏れないように、防音扉を閉めて、いよいよ発電開始です。各部の水圧計が、最大値を示します。
(写真1133・1134)
発電機につながれた、タービンに水が供給され、タービンが行きよい良く回りだし、発電が開始されます。タービンが回りだすと、タービンから排出される水の圧力はゼロ付近を示し、安全に排出されていることを示します。
(写真1135・1136・1137)発電を開始して、自動的に電力を供給しだしたならば、検査開始です。
(写真1127・1128)
まずは、単独運転検出検査、電力会社(東京電力)の電力網から電力を供給されているところに電力を供給するわけですから、電力会社の電力と同じ質の電力であることが求められるので、山梨では50Hzに合わせた電力であることが求められ、この水力発電所で発電された電力の周波数や各相のズレが生じていないか、を検査します。周波数や各相がずれると、電力事故につながるので、細心の注意のもと、計測器を取り付け、運転中の発電状況をモニターしながら、緊急停止、自動復旧、手動停止、手動復旧など検査項目に従って、順次検査をしてまいります。
(写真1129・1125・1126)
検査実施状況を確認している私は、発電所から出ると、発電所の外回りで、発電時に発生する騒音検査に同行致しました。
驚いたのは、発電前の騒音調査で、堰に水が流れている状況の音量と、発電所の緊急停止時のバックアップシステムである、ディーゼル発電機の音量とが、ほぼ、同じ数値を示したことでした。発電所の扉を開かない限りは、発電中の騒音は、堰を流れる水音よりは、小さく、65dB以下を示しておりました。
発電を始めると、取水口から発電所までの間は、堰から発せられる水の流れの音が、急激に小さいものになります。発電所から下の堰から発せられる水音には変化は無く、本来の音量を奏でておりました。発電所から、取水口までの間に暮らすお宅では、発電中は、堰から発せられる水音が小さくなり、さみしくなるかもしれません。また、発電所付近の方は、風向きにより、発電所下部の堰から発せられる水音により、音に強弱が加わり、騒音が増したような体験をすることになるかもしれませんが、発電所から10m下の堰の水音は、発電時も発電停止時も、同じ音量を示していました。検査機器の数字を表した写真を撮るのを忘れてまったことが、残念です。検査に戻ります。
続いては、発電中の各相の波形が正しく現れているかを確認します。
発電所で発電している電力は、私たちが使用している電気とは少し違います。
私たちが使用している電気は、単相の電力で、一つの相で使用しているのに対して、発電所で発電している電気は、三つの相を持った電力で、三相電力と言います。三つの相がそれぞれ正しい状況で発電しているかを検査します。
検査項目は、発電前、発電中、緊急停止、復旧、等の項目ごとに検査をします。
(写真1139・1140)
それらの状況は、発電所内のメインパネルでも表示されます。
(写真1138)
私どもの、太陽光発電所の検査も同じで、現在では、全てが自動で行なわれるようになっており、資格がない一般家庭でも、使用できるシステムになっております。今回検査に、立ち会わせていただき、システムこその違いはあっても、太陽光発電所と、水力発電所の発電制御システムには、環境汚染の無い、ともに自然エネルギーを利用したシステムであることを再認識致しました。
2007.03
自然エネルギーを効率よく使用する施設が、北杜市に増えることを願って、
今回の水力発電所の立ち会い検査に同行した報告を
皆様にお知らせしまして終わりに致します。
詳しくは、広報 ほくと 5月号を確認ください。
http://www.city.hokuto.yamanashi.jp/hokuto_wdm/html/health-improve/images/33359535900.pdf
2007.06
浅川太陽光発電所
に、全国の小水力発電事例が紹介されておりますので、ご希望の方は、「全国小水力利用推進協議会」までお問い合わせください。
http://www.j-water.jp/ (工事中)
http://energy-decentral.cocolog-nifty.com/mhp01/
不明な点については以下のアドレスをご確認ください。
小水力利用推進協議会公式ページ
▲上に |
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