28年地中にあった単管パイプ架台の劣化について P2

28年地中にあった単管パイプ架台の劣化について P2

浅川第二太陽光発電所

 第一関門の農耕地内に設置していた太陽電池の撤去が完了しました。

 前後を、水田に囲まれて、稲作の代掻き時には、土台となっている井桁は、水没し地中部分は完全に埋没します。

一年の内、水稲耕作時の6ヶ月余り間、基礎部分が水の中にあることになります。
設置条件は、地上部の据え置き型よりも厳しい状況で28年余りを過ごしてきています。

こちらの写真は、太陽電池撤去作業の一コマです。太陽電池を下ろす際に止めネジ等が落下し、散乱することがないように、下部にブルーシート等を敷いて、ネジやナット等が不明にならないように配慮しました。撤去後、農地に復元した場合に、農機具等の事故に繋がらないように、最新の注意を行いながらの撤去になります。

地中下部に設置していた連結部分のクランプを外している写真です。
地中下部は、稲作時に水没するためにかなりの腐食が見られましたが、構造上の強度に変化を及ぼすまでには至っておりませんでした。

こちらは、単管パイプ太陽電池架台を撤去後、集めた写真になります。
茶色く錆びている部分が地中にあった部分になります。上部になっていた単管パイプには、錆の発生は、限られた部分に集中し、強度に影響を及ぼす様な錆の発生はありませんでした。

上の写真は、地中部分の掘り出し写真です。クランプの劣化が激しいのが確認できます。地中部分のクランプについては、連結部分を掘り出して、ネジを緩めて外すことにしていましたが、ネジ部の折れが多発したため、叩いて外したところ
破損なく外すことができましたが、地中埋設部分のクランプ全体の強度が低下していることと、締め付け部分の強度低下を確認することと、なりました。


地中の中にあっても、ナット部分の錆が殴打により剥げ落ちて、クランプネジを緩ませることができたものと、錆の成長が激しく痩せてしまっているクランプがあり、同じ地中でこうも違うものかと、驚きました。

こちらの写真は、錆の成長が激しいものになります。

こちらの錆の成長が激しい原因としまして、圃場への堆肥の影響が考えられます。あとは、アース環境が不良かと思われます。
地中部分についての錆の状況は以上の様になりました。地上部では、どの部分に錆の進行が発生していたか紹介いたします。

太陽電池を設置していた部分の境目や、雨だれが集中してあたる部分に錆の発生があり、雨だれが長時間乾かずに存在する部分に錆の発生が顕著見られ、湿度よりも、雨だれが単管パイプに影響を及ぼしていたことが確認できます。

裏側からの写真でも、太陽電池の間からの、雨だれが当たる部分に錆の発生が見られ、また、クランプでは、長時間雨だれ等が留まる部分に、錆の発生が集中しています。

こちらの写真は、太陽電池を取り外した架台の単管パイプの写真です。
太陽電池からの雨だれが当たる部分の単管パイプに、規則正しく錆の発生している様子が確認できます。
錆の発生幅も概ね均等に発生しており単管パイプの材質が揃っていることが判断できます。

続いては、結束部のクランプの状況についてです。
クランプの錆については、地中部分と空中部分では、錆の発生状況は全く異なり、風雨の掛かる部分でも、乾燥状況が良い部分では、全くと言って良いほどの錆の発生がないものもあり、単管パイプ部分での錆の発生と同じく、長期に渡り水分が残る箇所には錆の発生がありました。・

風雨にさらされていても、2.5m高所のため、陰で日差しが届かなくとも、空気の流れがあり、乾燥しやすいので、錆の発生があまり見られない部分のクランプの状況です。
この高さのクランプには、縦横関係なく、 クランプを使用している部分には、錆の発生は見受けられませんでした。

末端の縦横を繋ぐクランプの状況です。
日差しは当たるのですが、地上高1.5mでは、空気の流れが、稲作の成長とともに変化が著しいので、クランプ全体が錆びてきてしまっています。この高さのクランプでは、雨垂れの影響を受ける部分は、太陽電池の影にありながら、直接の雨は避けられていても、随所のクランプに錆の発生を確認できました。


この高さ以下になると、クランプに錆の発生が多く確認できているので、空気の流れが大切なことが判断できました。

雨水が直接当たらなくとも、クランプ各所に錆の発生が見られます。

雨水が直接当たらなければ、設置間もない頃と同等の輝きをしているクランプもあり、雨水の条件により錆の発生が異なることが確認できます。

こちらの写真は、縦横・斜めの単管パイプが、交差する部分で、雨水が直接当たる場所になります。
雨水のしたたれに沿って、錆の発生が確認できます。

同じ連結部の反対側になります。
横方向の単管パイプの上下の差で、雨水が当たる場所と当たらない場所では、クランプに発生する錆の違いが確認できます。
各クランプの材質については、構造規定や強度規定等があり、28年前の規定で製造されており、安心して使用できましたが、この後に設置しました、太陽光発電所では、資材価格の高騰に合い、ホームセンター等の資材を活用したところ、設置後修正作業に入ったところ、単管パイプやクランプに強度不足が発生し、全て従来通りの仕入れ先から、購入し直したことを思い出しました。

強度不足については、この後、多くの太陽光発電所が 2014年2月の大雪で強度の大切さを体験することになる。

積雪1.5m大雪で大破したアルミ架台・方や、大雪に耐えた単管パイプ架台
2014年2月の大雪による通常架台の脆さや、量販資材の強度の見直しがされたのも、この大雪がきっかけとなった。

設置後28年余り経過の単管パイプ架台の撤去状態から、当初、多くの方から懸念された単管パイプ架台の強度問題については、支障がないことが判断できました。
設置状況にもよりますが、よほどの悪条件下でない限り、単管パイプによる
太陽電池設置架台に単管パイプを使用することは問題ないと確認できました。

2025/12
浅川第二太陽光発電所

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